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働く女子必見:ずっと独身でいるつもり?(祥伝社) ネタバレ&感想 おかざき真里×原案:雨宮まみ

ずっと独身でいるつもり?

おかざき真里×原案 雨宮まみ

祥伝社

36歳、独身、結婚してない私って、「かわいそう」なの?

親から「かわいそう」と言われてしまったまみ。

「ひとり」の恐怖から、元カレとの再会に揺れる由紀乃。

仕事中心、恋愛はおざなりなシミズ。

やりがいのある仕事に、好きなものに囲まれた暮らし。

そんな毎日も、「独身」だったら幸せじゃないの?

 

現代(いま)を生き抜く彼女たちが抱える不安、寂しさ、希望をていねいに描き出す。

全女性共感必至のオムニバスストーリー!

 

story.1

私が孤独死よりも怖いのは「一人で生きること」です。

一人目の主人公「まみ」が礼服を試着しているところ。

36歳独身で大学入学から上京して東京での生活の方が長くなりつつある。

 

仕事を終え帰宅し、実家の親との電話。

まみ:「あ、お母さん。私、仕事中電話できなくて」、「うん、今帰ってきた」、「おばあちゃん。うん、大往生だよね」

母:「相変わらず、仕事ばっかりして」、「あんた、誰かいい人いないんか?」、「地震も多いしそんな時頼れる人もおらんのかと思ったら、なんか、「かわいそう」になってねぇ」

母の「かわいそう」というひと言に呆然とするまみ。

 

友人と食事をしながら、母から言われた「かわいそう」について淡々と愚痴るまみ。

 

おばあちゃんの葬式当日。

親戚に子どもが増えていたり、それぞれの変化にびっくりし、戸惑うまみ。

まみ:「しっかりしている。誰々の奥さん。誰々のお母さん。親族の中で肩書きがちゃんとあって、子どもの頃のまま変わらないのは、私だけ」

 

そんな風に戸惑っているところに、バイクで登場した「士郎叔父さん」、独身・バツイチ。

何となく目立つ士郎叔父さん。

それを目で追うまみ。

まみ:「昔から叔父は、いつも好きな格好して好きな車に乗ってて、何やってんのかわからなくて大きな犬を愛していて、楽しそうに生きている」

 

そんな士郎叔父さんからまみへの言葉。

士郎叔父さん:「サバンナでたくましく生きているでしょう」、「好きなことを生業にしてさ、自分の足で立ってて、うらやましいよ。」

まみ:「叔父さんのお葬式はきっと賑やかだね」

士郎叔父さん:「何だよ。コロスなよ」

 

叔父さんは、いつもふざけててちゃらんぽらんで、マイペースで常識なくてふらふらしてて、独り身だけど、人気ものだ。

そういう人に私もなりたいです。

「将来の夢」まみ(36)

 

感想

タイトルからして素通り出来ない作品だと思いました。

内容を読んで、おかざき先生の作品は相変わらず心に刺さりました。

36歳半ば過ぎという年齢が、世の中の無視できない事象や考えなければいけないことが増える年齢だと改めて気づかされました(36歳にもなると喪服は作っといた方が良いですね。)。

 

親って味方だとは思うけど、意外とかけてほしい言葉と真逆な言葉を浴びせてくることは多々ありますね。もう少し気を使ってほしい。

どんどん実家への足取りが重くなります。

そういえば最近全然帰ってないなぁ。

 

親戚に一人は「士郎叔父さん」のような何やってんだかわからない飄々としたカッコイイ方っていますよね。

私もこのような生き方にいまだ憧れているところはあります。

 

あと、冒頭の煽り文は巻末からの引用ですが、その中に「全女性共感必至」という文言がありますが、「少し言い過ぎでは?」と思いました(笑)。編集さんが書いたのかな?

まだまだ、「全女性共感必至」とまではいかないテーマだと思います(作中でも主人公は母親から自身の生き方について、理解とは程遠い言葉である「かわいそう」という言葉を言われています。)。

ただ、「独身女性」というテーマが、「全女性共感必至」とはいかずとも、マイノリティではない世の中になると良いなと思っています。

 

 

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