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最近読んだ漫画:かしましめし(おかざき真里先生 祥伝社)2巻 RECIPE.7 ネタバレ・感想

かしましめしおかざき真里先生 祥伝社

 
「一歩踏み出した時、拍手をするためにそばにいる」
 
心が折れて仕事を辞めた千春。
バリキャリだが男でつまずくナカムラ。
恋人との関係がうまくいかないゲイの英治(えいじ)。
 
たびたび家に集いごはんを食べる仲だった3人は、千春の家で同居生活をスタートすることに。
 
仕事のこと、結婚のこと、セックスのこと。
にぎやかな食卓で、ただただ聞いてほしい話をしよう。
 
それが明日を生き抜く力になるはずだからー。
(背表紙から引用)
 
RECIPE.7
1巻のラストで3人で住むことになり、2人を迎え入れるため、家の片づけをする千春。
その際見つけた絵の具。
千春:「こんな所にあったんだ」
 
【回想シーン(ナイスミドルな画家?との会話)】
千春:「毒?」
画家:「うん。ああ、小田はデザイン科だから知らないんだな」
千春:「カドミウム系は知ってます」
画家:「うん。他にも毒性を持つ顔料はあるんだよ。絵の具は基本鉱物から出来ているから。そんなすごい劇薬ではないよ。毎日毎日くり返し何年もかけて摂取したら中毒になるくらいです」
千春:「この絵の具もらえないですか?」
画家:「いいけど」
あの時はお守りのように感じていた。
過去は甘味か苦薬か...。 
 
元婚約者と再会するナカムラ。
同じ会社であるため、人事異動をきっかけに再会。
きっちりした敬語で対応し、一線を引く。
取引先の担当者を紹介してほしいと頼まれ、仕事の話には感情を抜きに対応する。
 
後日、(取引先の担当者を紹介するため)シャレた雰囲気のレストランに行くナカムラ。
店に入ると元婚約者のみが到着していた。
取引先の担当者は遅れているとのことで、先に食事を始める二人。
食事をしながら過去を思い出すナカムラ。
ナカムラ:「(頭の中でのセリフ)あ。そうだった。こいつと最初デートしたのも、こうやって仕事のフリして呼び出されたんだった。忘れてた。進歩のない男だなぁ。ハッ、ハハハ(笑)。(忘れてた。忘れられるもんだなぁ)」
 
元婚約者:「いろいろ申し訳なかったよ。こっちは落ちついたから、前みたいにこーしてメシ食ったりしよう」
考えているナカムラ。
ナカムラ:「(頭の中でのセリフ)もしかして、私は今まで自分が本命で、途中、割り込んできた女に持ってかれたと思っていたけれど、もしかして私の方が「後から」なのかな?、だとしたらこれも納得いく。多分何の罪悪感もなく元に戻るつもりなんだな。アホなのかな?
 
元婚約者に水をぶっかけ、店を出てひとり歩くナカムラ。
ナカムラ:「(頭の中でのセリフ)映画みたいなことをしちゃったなぁ。"あんなもん"が好きだったこともあったんだな、私。バカだったんだなぁ、昔の私」
 
よかった。
もうずっとしんどいのかと思ってた。
でも、忘れることもあるんだなぁ。
違った感触でふり返ることができるんだなぁ。
ああ、早く、早く過去になれ。
歴史の教科書を読むくらい。
過ぎ去った日を見て胸が痛まなくなりますように。
 
三人で一気に引っ越し作業を行う。
作業終了後、引っ越し蕎麦ならぬ即席の「焼肉屋さんの〆冷麺風蕎麦」を三人で食べ、最後はビールでカンパイ。
 
昔話よりこれからの話を。
 
 
感想
千春の「絵の具」のくだりは、伏線なのか、それとも何かを示唆しているのか。
正直ちょっとピンと来なかったです。
それこそ話が進むと「そういうことかぁ」となるのでしょうか。
 
ナカムラの話は典型的な「昔のオトコ」あるあるでしたね。
ナカムラがバカってよりも、男ってほんとバカだなぁ(笑)。
いつまでも元カノが自分のことを好きだと思っているのが不思議。
実際そういう女性がいないことはないと思うけど...。
「"あんなもん"が好きだったこともあったんだな、私。バカだったんだなぁ、昔の私」
しかし、ナカムラのこのセリフにも出ているが、興味がなくなった男に対する女性のドライさに少しゾッとしました。
 
次の話から共同生活がスタートしますが、自立している男女3人の共同生活って、始めは良いでしょうが、楽しいことばかりではないと思います。
今後、どのような展開になるのか楽しみです。
 
 
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感想(2件)

 

働く女子必見:ずっと独身でいるつもり?(祥伝社) ネタバレ&感想 おかざき真里×原案:雨宮まみ

ずっと独身でいるつもり?

おかざき真里×原案 雨宮まみ

祥伝社

36歳、独身、結婚してない私って、「かわいそう」なの?

親から「かわいそう」と言われてしまったまみ。

「ひとり」の恐怖から、元カレとの再会に揺れる由紀乃。

仕事中心、恋愛はおざなりなシミズ。

やりがいのある仕事に、好きなものに囲まれた暮らし。

そんな毎日も、「独身」だったら幸せじゃないの?

 

現代(いま)を生き抜く彼女たちが抱える不安、寂しさ、希望をていねいに描き出す。

全女性共感必至のオムニバスストーリー!

 

story.1

私が孤独死よりも怖いのは「一人で生きること」です。

一人目の主人公「まみ」が礼服を試着しているところ。

36歳独身で大学入学から上京して東京での生活の方が長くなりつつある。

 

仕事を終え帰宅し、実家の親との電話。

まみ:「あ、お母さん。私、仕事中電話できなくて」、「うん、今帰ってきた」、「おばあちゃん。うん、大往生だよね」

母:「相変わらず、仕事ばっかりして」、「あんた、誰かいい人いないんか?」、「地震も多いしそんな時頼れる人もおらんのかと思ったら、なんか、「かわいそう」になってねぇ」

母の「かわいそう」というひと言に呆然とするまみ。

 

友人と食事をしながら、母から言われた「かわいそう」について淡々と愚痴るまみ。

 

おばあちゃんの葬式当日。

親戚に子どもが増えていたり、それぞれの変化にびっくりし、戸惑うまみ。

まみ:「しっかりしている。誰々の奥さん。誰々のお母さん。親族の中で肩書きがちゃんとあって、子どもの頃のまま変わらないのは、私だけ」

 

そんな風に戸惑っているところに、バイクで登場した「士郎叔父さん」、独身・バツイチ。

何となく目立つ士郎叔父さん。

それを目で追うまみ。

まみ:「昔から叔父は、いつも好きな格好して好きな車に乗ってて、何やってんのかわからなくて大きな犬を愛していて、楽しそうに生きている」

 

そんな士郎叔父さんからまみへの言葉。

士郎叔父さん:「サバンナでたくましく生きているでしょう」、「好きなことを生業にしてさ、自分の足で立ってて、うらやましいよ。」

まみ:「叔父さんのお葬式はきっと賑やかだね」

士郎叔父さん:「何だよ。コロスなよ」

 

叔父さんは、いつもふざけててちゃらんぽらんで、マイペースで常識なくてふらふらしてて、独り身だけど、人気ものだ。

そういう人に私もなりたいです。

「将来の夢」まみ(36)

 

感想

タイトルからして素通り出来ない作品だと思いました。

内容を読んで、おかざき先生の作品は相変わらず心に刺さりました。

36歳半ば過ぎという年齢が、世の中の無視できない事象や考えなければいけないことが増える年齢だと改めて気づかされました(36歳にもなると喪服は作っといた方が良いですね。)。

 

親って味方だとは思うけど、意外とかけてほしい言葉と真逆な言葉を浴びせてくることは多々ありますね。もう少し気を使ってほしい。

どんどん実家への足取りが重くなります。

そういえば最近全然帰ってないなぁ。

 

親戚に一人は「士郎叔父さん」のような何やってんだかわからない飄々としたカッコイイ方っていますよね。

私もこのような生き方にいまだ憧れているところはあります。

 

あと、冒頭の煽り文は巻末からの引用ですが、その中に「全女性共感必至」という文言がありますが、「少し言い過ぎでは?」と思いました(笑)。編集さんが書いたのかな?

まだまだ、「全女性共感必至」とまではいかないテーマだと思います(作中でも主人公は母親から自身の生き方について、理解とは程遠い言葉である「かわいそう」という言葉を言われています。)。

ただ、「独身女性」というテーマが、「全女性共感必至」とはいかずとも、マイノリティではない世の中になると良いなと思っています。

 

 

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最近読んだ漫画:かしましめし(おかざき真里先生 祥伝社)1巻 RECIPE.6

かしましめしおかざき真里先生 祥伝社

 
RECIPE.6の感想
 

「生き方違う人が他の価値観を受け入れる術(すべ)は、幸せそうにしているかよ。」

「それがオリジナルな生き方を通す方法です。」

 

そのとおりですね。

オリジナルな生き方って難しい。批判も多いし。

わかってもらおうとあーだこーだ必死に説明すればするほど理解されなくなり、喧嘩なんてことも。

結局、生き方の違いなのだから、自分が楽しいか、納得しているかということですかね。
 
それにしても、この漫画の主人公たちは良い人たちだなぁ。
私の場合、弱っているときでも、結構、あれこれ打算的に考えたりしているし、しっかり栄養摂ったりしているので...。 
 
次巻からルームシェア開始ですか。
どうなるのかなぁ。揉めたりするのかなぁ。
楽しみです。
 
2巻に続く
 
 
 
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(RECIPE.5の感想)